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司法修習事前研修の報告

 本研究科では,司法試験合格者に対し,司法修習が開始される前に,修習がより効果的なものとなるように,香川県弁護士会の先生にお願いして,司法修習の自薦研修を行っています。
 以下は,事前研修を受けた本研究科出身の受講生からの報告です。

■平成26年度司法試験合格者 木田 直太郎■


事前修習の感想

第1.籠池事務所
 籠池先生の事務所では、原告被告の主張の説得力に感心した。
 原告の書面を見ると、原告が勝つように見えるし、被告の書面を見ると、原告の主張が通らないように見えてくるのである。
 しかも、その説得力は、法律についての知識や理解の相違に基づくというよりは、むしろ日常における常識や思考に基づいているように見えた。
    第2.小早川事務所
  1.  小早川事務所では、小早川先生と和田先生から、今後の研修や実務の話を広く聞かせていただいた。その中でぼんやりと感じたことがある。
  2. 以前、小早川先生はロースクールに指導に来られており、その授業の中で、先生他弁護されていた被告人のことを話された。その話は大要次のようなものである。その被告人は、犯行で何人もの被害者を出しており、かなり重い刑が予想された。一方で、検察官の起訴状の中には被告人の言い分と食い違っている点もあった。そしてその被告人の言い分は、一般人には理解されにくいものの、被告人本人としては筋が通っており、一貫している。ただ、仮にその言い分が認められたとしても、果たして刑が変わるのかどうかも不明である。
  3. そういう話を聞いて私は、まず犯罪を行った被告人に対して反感を抱き、次に、刑に影響があるかどうかも疑わしいのに主張することが不可解であると感じた。ただ、そのようにマイナスの感情を抱いたものの、よくわからないままにしておいた。
  4. 今回、いろいろな話を聞かせていただくうちに、分からないままにしておいたものが、別の見方で見えてくるようになった。うまく言えないのだが、先生の信念や刑事弁護についての考え方にふれられたおかげだと思う。
  5. 言葉にするのは難しいが、誤解を恐れず、無理に表現してみる。
     先生は検事として収賄事件を担当された際、収賄罪を犯した者が退職金を支払われなくなることは当然だと思われたそうだ。しかし今は、確かに憎むべき犯罪ではあるが、退職金をすべて取り上げるべきとは思えないとも考えるという。それを聞いて、法曹として仕事をされてきた年数の重みを感じた。
     被疑者として勾留されている者は、面会に言ったその日のうちに、再度の面会を求める例もあるらしい。面会に行くのは大変だ。でも先生は、「被疑者の立場からすれば当然なんだよなあ」といわれる。自分の大変さだけでなく被疑者の大変さを十分に考えておられるのだなあと思った。
     刑事弁護はぎりぎりのところが求められることがよくあるらしい。その中でどこまでが可能かを各弁護士が線引きをして弁護するらしい。具体的にはわからないが、その厳しさを言葉から感じた。
     年末年始は、被告人や被疑者をなんとか家に帰らせるべく、尽力されるらしい。
     こういう話をいくつも聞かせていただいているうちに、こういう人が弁護されるのだから、何か意味を認めて、信念を持ってされているに違いないと自分は思ったのだろう。
     その信念や意味までは明確でない。ただ、事件に対して被疑者側からライトを当てるような見方、活動をされているなあとは思った。
    第3.のぞみ総合法律事務所
  1. 馬場先生に三日間、仕事を見させていただいた。いろいろなところに出かけられていたが、それぞれの場所で様々な顔で仕事をされていた。いろいろなことを考えておられると思った。
  2. 刑事事件の記録や、加害者、加害者家族と接していると、気が滅入った。先生はそれらに対する接し方について、ご自身の信念やポリシーを持っておられると思った。私にはまだない。
  3. 同じ記録を先生と私が見た場合に、見方が違うように感じた。よくはわからないが、「疑っているかいないか」という点が一つあると思う。今までは私は問題文の事実を当然として扱ってきたためだろう。
  4. 弁護士という仕事は、思いのほか生々しく、どろどろした仕事だと思った。そのため、よくロースクールで実務家の先生が言われていたように、説得力が必要なのだろうと思った。

■平成26年度司法試験合格者 木下 登裕■

    小早川法律事務所での事前研修について
  1. はじめに
     平成26年11月12日、高松市の小早川法律事務所で司法修習に先立った事前研修を受けさせていただきました。12月から始まる司法修習をひかえ、司法修習ではどのようなことが行われるのかなど悩んでいたところ、今年度も事前研修の場を設けていただけることとなり、小早川弁護士、和田弁護士から、司法修習に向けたお話を聞くことができました。
  2. 研修内容
     まず、現在司法修習委員長でもある小早川先生から、司法修習生としての心構えについてアドバイスを受けました。特に、弁護修習中は法律事務所にお世話になるため、失礼のないように社会人としての自覚は当然として、指導担当の先生の仕事ぶりをよく見て積極的に修習に励むべきであるとのお言葉を頂きました。また、68期から新しく始まる導入修習についても、司法修習生の書面作成能力に問題があることから、修習の始めに設けられたものであるとの説明を受けました。
     実務家となった後についても、依頼者との信頼関係やお金の管理の大切さ、これらに関するありがちなトラブルや小早川先生がとっておられる対策方法など、なかなか聞かせていただけないような部分まで聞かせていただきました。同時に、司法修習の後は自分たちもこのような世界に飛び込んで行くのだと身が引き締まる思いでした。
     次に、四国ロースクールの先輩でもある和田先生からも、最近修習を受けたご自身の経験からのアドバイスをいただきました。さらに、修習中に参考となる書籍などを紹介していただき非常に参考となりました。
  3. おわりに
     研修の後は、お食事に連れて行っていただき、そこでも先生方の司法修習中や実務についてからのいろいろな経験談を聞かせていただきました。
     お忙しい中、事前研修を引き受けていただいた小早川先生、和田先生、事務員の皆さんには大変感謝しております。今回の研修でいただいたアドバイスをむねに充実した司法修習になるよう頑張って行こうと思います。
    木田法律事務所における事前研修について
  1. はじめに
     平成26年11月17日、20日、21日、高松市の木田法律事務所で事前研修を受けさせていただきました。今回は、お忙しい中、木田弁護士の弁護士業務を3日間も立ち会わせていただき、司法修習に向けての貴重な経験となりました。
  2. 研修内容
     今回の研修は、木田先生の弁護士業務に立ち会わせていただくとともに、その合間に先生の受け持っておられる事件記録を見せていただくという形で行われました。
     事件記録については、実際の事件は生々しくかつ複雑なものであること、そのような事件であるにも関わらず、弁護士の先生方ははっきりと争点を見極めた上で書面を作成していることがよくわかりました。読ませていただいた事件は様々なものがあり、先生には、それらの事件についての質問にも応えていただき、勉強となりました。
     弁護士業務としては、国選弁護事件、弁論準備手続、成年後見人の業務のほか、法テラスも見学させていただきました。国選弁護事件は、1回の期日で終わるもので刑事事件の公判手続の流れの復習ともなりました。また、弁論準備手続は丸亀支部の管轄する事件であり、成年後見人のお仕事は高松市外の施設を訪問するというもので、時間をかけて移動する中で弁護士の活動範囲の広さを実感しました。成年後見人のお仕事については、被後見人の方だけでなく市役所や施設の職員の方々も同席しており、いろいろな方と関わる仕事であるとわかりました。
     法テラスにおいては、法テラスのあらましやどのような活動が行われているのか、弁護士は法テラスとどのように関わっていくのかについての説明をしていただき勉強になりました。
  3. おわりに
     上記の他にも、移動時間やお食事に連れて行ってもらった際にも、先生ご自身の体験や物事の考え方など、司法修習だけでなく、その後の実務や人生にも活かせるような貴重なアドバイスをいただきました。木田先生、事務員の皆さん、依頼者の方々、法テラスの職員の皆さん、お忙しい中、本当にありがとうございました。

■平成26年度司法試験合格者 佐藤 圭吾■

  1. はじめに
     私は碧海総合法律事務所にて平成26年11月17日から19日までの3日間,事前研修をさせて頂きました。簡単ではありますが,事前研修を経て,法曹として活動していくうえで,特に重要だと感じたことを三つほど報告致します。
  2. 感想
    (1) 一つは,十分に活動することが重要であるということです。  先生と共に事案を検討させていただく機会がありました。こちらにとても有利な証拠があり,それで十分ではないかと先生に申したのですが,それでは不十分である旨返答されました。
     それはなぜか。有利な証拠があったとしても,それだけを頼りにするのは危険であり,他の証拠を精査し少しでも有利なものがあれば,利用し,不利なものがあれば,その証明力を争うことが重要だということです。というのも,たとえその有利な証拠が決めてとなり原審にて勝訴したとしても,自身に不利な証拠につき精査できていなければ,上級審にて当該証拠が決めてとなり,判決が破棄される可能性は皆無ではありません。裁判所の心証が原審のそれと異なることになり,和解の勧試がなされることもありえます。いずれも当事者にとって避けるべき事態です。
     かような事態を避けるべく,代理人として十分に活動することが重要であると感じました。割と当たり前なことですが,常に出来ていなければならないことであります。
    (2) 二つ目は,常識の重要性です。先生とともに検討させていただいた事案では,相手方の主張と証拠物とが整合していませんでした。私はその不整合を先生から教えて頂くまで見つけることができませんでした。では,なぜ先生が発見できたのかというと,当該証拠についての常識があったからです。
    (3) 最後の一つは,自身の行為に問題がないかチェックすることの重要性です。弁護人となった場合,被疑者・被告人のために活動していくことになりますが,その活動が自身にとって不利益を及ぼすこともあります。資格喪失の危機がおとずれることもあります。被疑者・被告人から預かったものでも,それを受取人に渡してよいのかを,現在の被疑者・被告人の状況・預かった物の性質上等を考慮して犯罪とならないかをチェックすることが,自身の身を守る上では重要だと感じました。
  3. 最後に
     碧海総合法律事務所の八木先生,富家先生,徳田先生,事務員の方には,お忙しい中お世話頂き,本当に感謝しております。また,修了後も修了生に学習の機会を与えて下さった四国ロースクールにも本当に感謝しております。皆様ありがとうございました。今回事前研修で学んだことを糧に,司法修習に努めていく所存です。  

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