本研究科では，司法試験合格者に対し，司法修習が開始される前に，修習がより効果的なものとなるように，香川県弁護士会の先生にお願いして，司法修習の自薦研修を行っています。
　以下は，事前研修を受けた本研究科出身の受講生からの報告です。

平成25年度司法試験合格者　田口 泰斗

1. はじめに
   　11月下旬に始まる司法修習を幸先の良く開始するために、実務の感覚を少しでも身につけておきたいと考えていたところ、ロースクールより事前研修の提案をいただきました。
   　そこで、現在四国ロークールにおいても活躍されている安西敦弁護士に、同弁護士の所属するあかり総合法律事務所（高松市）での研修を打診し、快く引き受けてくださいました。
   　以下、簡単ではありますが、平成25年11月13日に行われた同事務所での研修内容を報告させていただきたいと思います。
2. 研修内容と感想
   1. 　事務所を訪れ、所属する弁護士や事務員の皆様への挨拶も程ほどに、さっそく訴訟記録の検討と、それに基づく書面作成の課題を課されました。ロースクールの授業で課される課題とは異なり、生の事件に基づいて作成することとなるため、自分たちが作った書面が実際の訴訟手続に関わると思うと、実務における責任感や緊張感を感じることができました（当然ながら、同書面は弁護士による大幅な修正の上、裁判所へ無事提出されました）。
   2. 　以上のほかにも、様々な訴訟記録の検討、債務整理に関する法律相談への立会いのみならず、裁判員裁判の傍聴や弁護士会主催の勉強会への出席など、たった一日でたくさんの弁護士業務を体験させていただき、得られるものがたくさんありました。同時に、1年後実務家となっている（はずの）自分が同様の業務を毎日のようにこなさなければならないと考えると体力的に少し不安になった次第です。
   3. 　いずれにせよ、法律事務所において事前にこのような研修をする機会をいただき、司法修習に向けてのみならず、実務家となるにあたっても非常に参考となりました。充実した1年となるよう努力したいと思います。
3. 終わりに
   　余計かとは思いますが、来年度司法試験に合格し、司法修習生となられる四国ロースクールの皆様には、我々が行ったような弁護士事務所での事前研修を可能な限り行うことをお勧めします。修習地が決定した後、裁判所や検察庁においては、どの修習地であっても「事前ガイダンス」のようなものが行われているようですが、弁護に関しては弁護士会毎でガイダンスが実施されるかは区々なようです（私の修習地では開催されませんでした）。そのため、出身ロースクールから今回のような研修を提案していただいたのは非常にありがたいことでした。是非とも事前研修をお願いしてみてください。

　最後に、今回ご多忙にもかかわらず事前研修を引き受けてくださったあかり総合法律事務所の弁護士、事務員の皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。事前研修で教えていただいたことを生かして、有意義な司法修習となるよう研鑽を積んでゆく所存です。